SK hynix が10月28日、2026年7〜9月期の決算を出した。売上は四半期で初めて100兆ウォンを超え、営業利益率は約80%だった。Seoul Economic Daily は79.7%と報じている。あわせて、14社と2027〜28年の生産能力の半分超を押さえる長期契約を結んだことと、約100兆ウォンの株主還元を示した。AI のメモリ不足という一時の値上がりを、値段を動かせる数年契約と株主への還元という、続く形に変えた決算である。
売上100兆ウォン、利益率80%
会社の決算の発表(一次情報)によれば、四半期の売上が100兆ウォンを超えたのは初めてである。売上のおよそ8割が営業利益として残った計算になり、半導体の製造業としては異例の水準だ。
この利益率は、作れば売れるうえに、作れる量より欲しい量のほうが多いことから来ている。AI のアクセラレータは1台ごとに大量の HBM を積む。Microsoft が10月に出した推論チップ Maia 300 は HBM4 を288GB 積み、2027年からギガワット規模で配備するとしている。こうした計画が積み重なれば、メモリを作る側が値段を決めやすくなる。
不足を数年の約束に変えた長期契約
決算でいちばん重いのは、利益の数字より契約である。SK hynix は14社と長期契約を結び、2027年と2028年の生産能力の半分超をすでに押さえた。メモリは景気の波が大きく、好況の利益が次の不況で消えるのが常だった。生産能力の半分超に買い手が先に決まっていれば、その波の下側は浅くなる。
契約は値段を固定していない。値段を動かせる形にしてある。足りない状態が続けば値上がりを取り込め、買い手の側は量を確保できる。AI のデータセンターを建てる側にとっては、2028年までのメモリをいまのうちに予約したことになる。不足がそのくらい続くと、買い手14社が見込んでいるということでもある。
契約相手の名前、1社ごとの量、値段をどう決め直すかの細かい決まりは、確かめられた範囲では出ていない。どれくらい安定するかは、この条件の中身で決まる。
約100兆ウォンを株主へ
SK hynix は約100兆ウォンの株主還元も打ち出した。四半期の売上とほぼ同じ規模である。Asia Economy などが細部を伝えている。高い利益が数年続く見通しを契約で裏づけたからこそ、還元の額を大きくできたと読める。設備に回す分と株主に返す分の配分、還元を何年かけて行うかは、報道の数字と会社の資料を突き合わせて確かめる必要がある。
次に見るもの
10月29日には Samsung が決算を出す。HBM の売上で Samsung が SK hynix を抜いたかどうかは、まだ決着していない。抜いていれば、SK hynix が長期契約で能力を早めに押さえた理由がはっきりする。ハイパースケーラーの設備投資の見通しも、同じ週に続けて出る。2028年まで予約したメモリに見合う量の計算資源を、本当に建てるのかが問われる。
AI の基盤の値段は、GPU だけでは決まらない。この四半期、メモリを作る側は不足を数年の契約に書き換え、その果実の一部を株主に配る道筋をつけた。




