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Claude Code、既存ゲームの作り直しを断る2文を追加と報道

Opus 5.5 で動く版のシステムプロンプトに入ったと伝えられる。IP の方針を規約ではなくエージェントへの指示で守らせる形で、止める設定はなく、リバースエンジニアリングやセキュリティの作業まで断られるという不満も出ている

鈴木 理恵|2026.11.02|6分|更新: 2026.11.02

Anthropic が、Opus 5.5 で動く Claude Code のシステムプロンプトに、特定の既存ゲームを作り直させない2文を足したと Kotaku などが報じた。IP の方針を利用規約ではなくエージェントへの指示文で守らせる形になる。利用者が止める設定はなく、リバースエンジニアリングやセキュリティの作業まで断られるという不満も出ていると伝えられる。

Key Points

Claude Code、既存ゲームの作り直しを断る2文を追加と報道

【追記 2026年11月2日 5:55】「Anthropic の一次の説明は確認できていない」と書いていましたが、Anthropic の技術スタッフの Addy Osmani が X で変更を認め、理由も説明していました(Game Developer の引用による)。その説明と2文の中身を足し、要点の欄と、理由が分からないとしていた箇所を直しました。

Anthropic が、Opus 5.5 で動く Claude Code のシステムプロンプトに、既存のゲームを作り直させないための2文を足したと報じられている。伝えたのは Kotaku、Game Developer、ドイツの MIXED の3媒体である。Kotaku は見出しで、Anthropic が特定の既存のゲームから「AI スロップ」を作らせないよう Claude を「またナーフした」と書いた。Game Developer は「Anthropic が Claude にビデオゲームの作り直しをやめるよう命じたらしい」と、推測の形で書いた。

その後、Anthropic の技術スタッフの Addy Osmani が X で変更を認めた。Game Developer によれば、Osmani は「Opus 5.5 の Claude Code のプロンプトに2文を足し、他人の特定のゲームを作り直さないようにした」と書いた。理由は、Claude を使って IP を侵すことが、Anthropic の利用ポリシーに反するからだという。独自のゲーム、ジャンルもののゲーム、自分のデザインや素材で作るゲームは、これまでどおり作れるとしている。本紙は Osmani の投稿そのものと、Anthropic の正式な発表は確かめておらず、Game Developer の引用による。

何が加わったと報じられているか

報道によれば、加わったのは Opus 5.5 で動くときの Claude Code のシステムプロンプトで、量は2文だけである。Game Developer が伝える2文は、「独自のゲーム、ジャンルのゲーム、利用者自身のデザインと素材によるゲームは作る」「特定の既存のゲームの作り直しは、名前を変えたり独自と呼んだりしても作らない」という中身である。ゲームを作ること自体を止めるのではなく、既存の作品の作り直しに的を絞った書き方だと伝えられている。

Claude Code の更新は、ほぼ毎日出ている。10月31日の v2.1.316 は、ultrathink を止める設定や、方針を重ねて効かせる managed.policy_mode: layered を加えた。ただ、リリースノートで見える変更は設定と不具合の修正が中心で、システムプロンプトの文言の変化はそこには出てこない。今回の2文は、利用者がプロンプトの中身を比べて気づいたものとみられる。

規約ではなく、エージェントへの指示文で守らせる

この件の要は、IP の方針を守らせる場所が変わったことにある。Anthropic はこれまで、何をしてはいけないかを利用規約(Usage Policy)に書いてきた。10月8日の改定でも、欺く活動や武器、監視についての禁止を規約の文言として固めている。規約は、違反した利用者をあとから止めるためのものである。

一方、システムプロンプトに書いた指示は、エージェントがその場で依頼を断る形で効く。利用者が規約に反しているかどうかを人が判断する前に、モデルが自分で線を引くことになる。報道が正しければ、Anthropic は、他人の作品の権利を守る方針を、モデルの外の契約ではなく、モデルへの指示そのものに書き込み始めたことになる。

エージェントが自分で書き、走らせ、仕上げるところまで進むほど、規約で事後に止めるやり方は間に合わなくなる。実行の前に断らせる方が確かだ、という判断だとみられる。Osmani は、理由を IP の侵害が利用ポリシーに反するからだと説明している。

止める設定はない

報道は、この2文を利用者が切る設定はないと伝えている。Claude Code には、ultrathink を止める CLAUDE_CODE_DISABLE_ULTRATHINK や、作業ディレクトリの外への書き込みを止める permissions.blockWritesOutsideWorkingDirectories のように、利用者や管理者が動きを変える設定がたくさんある。それに対して、この制限は外せない形で入ったことになる。

外せないことには意味がある。設定で切れるなら、それは使い勝手の既定値でしかない。切れないなら、Anthropic が製品として譲らない線になる。利用規約と同じ重さの方針を、指示文の形で製品に固定したと読める。

断られる仕事が広すぎるという不満

報道によれば、利用者からは、リバースエンジニアリングやセキュリティの作業まで断られるという不満が出ている。既存のゲームの仕組みを読み解く、古い作品の動きを調べる、ゲームのクライアントの脆弱性を調べる、といった仕事は、見た目には「既存のゲームを作り直す」依頼と重なりやすい。2文という短い指示では、権利を侵す複製と、正当な解析や保存や検証とを細かく分けられない。

Anthropic は、Claude を使ったサイバー防御を前面に出している。10月6日に Cyber Verification Program を広げ、10月8日には Anthropic Cyber Mission を始めた。そのさなかに、汎用のコーディングエージェントが、セキュリティの調べものを IP の理由で断るという不満が出たことになる。指示文で守らせるやり方は、効き目が強いぶん、狙っていない仕事まで巻き込みやすい。

残る問い

確かめられていないことは多い。追加された2文の正確な文言、加わった版と日付、Opus 5.5 以外のモデルでも同じ指示が入っているか、API や Bedrock、Vertex 経由でも効くか、そして Anthropic の正式な発表である。Anthropic が、ゲームの業界や特定の権利者から求められて入れたのかどうかも分かっていない。

それでも筋は見えている。エージェントが作る側に回るにつれて、ラボは権利の線引きを、利用者との契約ではなく、エージェントへの指示文で引き始めた。止める設定がないまま、その線がどこまで広がるのか。解析やセキュリティの仕事をどう外すのかが、次の焦点になる。

風刺画: Claude Code、既存ゲームの作り直しを断る2文を追加と報道

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最終検証2026.11.02
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