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Steam Next Festのデモ7,240本、35%がAI使用を申告。でも遊ばれた上位25本で申告ありは2本だけだった

AIで量産したゲームは棚を埋めたけど、プレイヤーの時間はほとんど取れていない。困るのは「客を奪われる」ことより「探しにくくなる」こと

美咲 ハル|2026.10.24|10分|更新: 2026.10.24

10月のSteam Next Festはデモ約7,240本で、35%がAI使用を申告したんだよ。でも実際に遊ばれた上位25本で申告ありは2本だけ。量産ゲームは人気を奪えてなくて、困るのは「良いゲームが見つけにくくなる」ことのほうだった。

Key Points

Steam Next Festのデモ7,240本、35%がAI使用を申告。でも遊ばれた上位25本で申告ありは2本だけだった

ゲーム好きのみんな、10月のSteam Next Fest(10/19〜26。発売前のゲームの体験版、つまりデモをまとめて遊べるお祭りのこと)はもうのぞいた? ハルは今回自分では遊んでなくて、ネットに出ている集計データと、作り手やプレイヤーの声を片っ端から追いかけてみたんだよ。わかったことを一言でまとめるとこう。デモは約7,240本まで増えて、そのうち35%が「AIを使った」と申告していた。なのに、実際にいちばん遊ばれた上位25本で申告していたのは2本だけ。AIで量産したゲームは棚を埋めたけど、プレイヤーの時間はほとんど取れていなかったんだよね👀

棚には7,240本、そのうち35%が「AI使ってます」

まずは一次データから。インディーゲームの売り方を分析しているブログHow To Market A GameのChris Zukowskiさんが、Next Festの公開ページと、Steamストアの「AI使用の申告欄」(生成AIをどう使ったかを開発者が書く欄)を自分で数えた。参加作は7,240本で、前回より65.2%多い。Zukowskiさんは今回を「過去いちばんslopが多い回」と結論づけている。

数字をもう少し見ていくね。AI使用を申告した作品は全体の約35%。申告した作品のうち75.7%は、絵やビジュアルにAIを使っていた。だから「AIゲーム」といっても、キャラクターの絵や背景、アイコンをAIで描かせたタイプが中心で、ゲームの中身までAIが作っているとは限らないんだよ。それから、Next Festのデモの数は2026年のSteam新作全体の51.7%にあたる。お祭りひとつに、1年分の新作の半分くらいの本数が並んでいるってこと📊

7,240本って、もう人が全部見られる量じゃないよね。ハルの計算だと、1本3分ずつストアページを眺めても362時間以上かかる。だからプレイヤーは、Steamのおすすめ欄やランキング、配信者の紹介を頼りに、ほんの一部だけ遊ぶことになる。じゃあその一部に、AIを申告した作品はどれくらい入っているのか。ここから先がこの記事の本題なんだ。

実際に遊ばれていたのは、ほとんどが「申告なし」の作品

どのデモが遊ばれているかは、Output Lagが独自に集計している。開催5日目の時点で、1位はショップ経営シムの『Probably Stolen – Cyberpunk Shopkeeper Sim』で30,824人、2位は社会派の推理ゲーム『Worst Class Ever』で21,110人。上位2本だけで5万人を超えた。でも3位の『Abyssal Lapidary』は4,068人、4位の『Frostrail』は3,441人、5位の『Among Shadows』は3,063人で、3位から一気に4千人台以下まで下がる。人気はごく一部に集中していたんだよ。

この人気順にAI申告を重ねたのが、Zukowskiさんのデータのいちばん面白いところ。人気上位25本で申告していたのは2本(8%)だけ。26〜50位では3本(12%)、51〜100位では13本(26%)。順位が下がるほど申告作の割合が増えて、全体平均の35%に近づいていく。つまりAIを申告した作品は、あまり遊ばれていない層に固まっていたってこと。

もっと差がはっきり出たのがフォロワー数(Steamでゲームをフォローしている人の数)。開催前のフォロワー数の中央値(真ん中の値)は、上位25本が5,519で、それ以外はたったの15。開催後7日間で増えたフォロワーの中央値も、220対1だった。上位の作品は、お祭りが始まる前からファンを集めていたんだよね。デモを出せば見つけてもらえる、という場所じゃなくなってる。ハルはこの数字を見て、「お祭りで勝つ」というより「お祭りの前にもう勝っている」が正しいと思った🤔

作り手は「気が滅入る」、しかも申告率は数え方で大きく変わる

作り手側の空気も見ておこう。Time Extensionによると、FPS『Selaco』のリード開発者Nexxticさんが「今まで見た中でいちばん気が滅入るNext Fest」と投稿したと報じられている。同じ記事では、参加作は6月の回が約4,300本、10月の回が約8,200本で、4か月でほぼ倍になったとされている。人の手で作ったインディー作品がその中に埋もれている、というのが記事の見立てだよ。

あれ、Zukowskiさんは7,240本って言ってたよね? そう、本数も申告率も、誰がどう数えるかで変わるんだ。SteamDB(Steamのデータを集めている外部サイト)を使ったGamingOnLinuxは、7,164本中1,054本以上がAIを申告していて、約15%としている。別の媒体は8,202本中1,704本で19.5%。Zukowskiさんの35%と比べると、倍以上の開きがある。Digital Citizenは「36%という数字は第三者の集計で、Valveの公式値ではない」と注意を促している。

なんでこんなにズレるのか。たぶん、どの時点のどのページを数えたか、申告欄のどこまでを「AI使用」とみなしたかが媒体ごとに違うから。Valveが公式の数字を出していないので、どれが正しいとも言い切れないんだよね。だからハルは「35%」をそのまま信じるより、「少なくとも15%、多めに数えると3分の1くらい」と幅で受け取るのがいいと思う。ただ、どの集計でもAI申告作は1,000本を超えているし、上位にはほとんど入っていない。この傾向自体はZukowskiさんのデータではっきり出ているよ💡

「AIを外すフィルターがほしい」が実現しないワケ

プレイヤー側では、Redditで「Discovery Queue(Steamがおすすめを順番に見せてくれる機能)からAI作品を外すフィルターがほしい」という声が上がったとdaily.devが報じている。ところが、Valveは5月にユーザーが付けるタグを廃止しているんだよね。AI使用の申告は義務なのに、それで絞り込む手段は公式には無い、という状態になっている。daily.devのまとめでは、この議論への反応は懐疑的55%、どちらとも言えない35%、好意的10%だったとされている。

懐疑的な声が多いのには理由がある。Redditでは「今はほとんどの開発で何らかのAIを使っているから、AIタグ1つで分けても意味が薄い。絵・セリフ・音楽ごとに細かく分けるべき」という意見も出ている。たしかに、プログラムの下書きを手伝わせただけのゲームと、絵を全部AIに描かせたゲームを同じ箱に入れても、プレイヤーには役に立たないよね。さらに、6月の回の報道によると、Valveのルールでは「効率化」のためのAI利用は申告しなくてよいとされている。申告していない作品もかなりあるとみられるから、申告をもとにしたフィルターを作っても、量産ゲームは外しきれないんだ。

擁護する声もちゃんと拾っておくね。Time Extensionの読者コメントには「AIのおかげで参入の壁が下がった」「出来の悪いゲームはAI以前からあった」という意見もあったと報じられている。これもその通りで、絵が描けない一人の開発者がAIでビジュアルを用意して、ゲームの中身に集中する、という使い方は普通にありえる。AIを使ったかどうかと、面白いかどうかは別の話なんだよね。

ハルのまとめ:困るのは「客を奪われる」より「探しにくくなる」こと

今回のNext Festまわりの動画も貼っておくね。数字と見比べながら見ると、雰囲気がつかみやすいと思う。

データを追いかけて、ハルがいちばん意外だったのはここ。AIで量産したゲームが、人が作ったゲームの人気を奪っているわけではないんだよ。Zukowskiさんの数字では、申告作は成績の低い層に固まっていて、上位は開催前からフォロワーを集めていた作品(中央値5,519)ばかり。1位の30,824人、2位の21,110人を集めたのも、ショップ経営や推理といった、遊び方がはっきりした作品だった。プレイヤーはちゃんと選んで遊んでいるんだよね。

じゃあ何が問題かというと、「探しにくさ」。棚が4か月でほぼ倍になると、フォロワー15人から始める小さなインディー作品は、量産ゲームと同じ山の中で見つけてもらえない。開催後7日間のフォロワー増の中央値が1だったのは、AIを使ったかどうかに関係なく、無名の作品がまとめて埋もれている証拠だと思う。量産の害は、上位の作品よりも、これから見つけてもらうはずだった小さな作品のほうに出ているんだよ。

ハルの結論としては、AIフィルター1つで解決する話じゃない。絵・セリフ・音楽ごとの細かい申告、遊ばれた数にもとづく紹介、信頼できるキュレーター。こういう「見つける仕組み」をValveとコミュニティがどう作り直すかのほうが大事なんだよね。とりあえず次のお祭りでは、ハルも一覧を上から眺めるのはやめて、遊んでいる人の多いデモから掘ってみようと思う🛠️

音声版

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風刺画: Steam Next Festのデモ7,240本、35%がAI使用を申告。でも遊ばれた上位25本で申告ありは2本だけだった

Editorial Cartoon

本記事がもたらす影響を風刺的に描いたひとコマ漫画

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最終検証2026.10.24
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