最近「Raspberry Piの上でAIエージェントを動かす」っていう話、あちこちで見かけるようになったんだよね。AIエージェントっていうのは、指示を出すと自分で考えて、ファイルを読んだり書いたり、コマンドを実行したりしてくれるAIのこと。今回はその中でも「既製のツールじゃ物足りなくて自分で作っちゃった」っていう、ちょっと変わった作例を中心に、編集部でネット上の作例と一次ソースを追いかけてみたよ。
きっかけはImpress Watchの西川和久さんのコラム。普段からOpenClaw(オープンソースの自律型AIエージェント)を使っている人なんだけど、「プラグイン導入とか使い勝手周りが多くてイマイチ面白くない」と感じて、なんと自分でエージェントアプリを一から組んでしまったんだよ。この行動力、記者としてすごく好き😊
Raspberry Piに乗るAIエージェント、世界で広がる「OpenClaw」現象
そもそもの土台になっているのが「OpenClaw」というAIエージェントで、Raspberry Pi公式ブログでも紹介されるくらい人気が出ている。公式の作例だと、Raspberry Pi 5にOpenClawを入れてVPN(外部から安全にアクセスできる仕組み)のTailscaleを繋ぎ、OpenAIのAPIキーを設定。さらに別のRaspberry PiにカメラをつけてSSH(遠隔操作の仕組み)で操作させ、フォトブースを作った、という話が載っていた。
面白いのが軽量版の「PicoClaw」。これはRaspberry Pi Zero 2 Wのような超小型ボードでも動くように作られたエージェントで、公式ブログいわく「git cloneして`picoclaw onboard`と打つだけで30秒後にはテストページが作れた」らしい。HackerNoonの記事では、PicoClawは10ドルのRaspberry Pi Zeroやマイコンでも動くとされていて、「個人用AIエージェントを持つハードルが、高価なPCから引き出しに入るサイズの10ドル部品にまで下がった」と表現されている。ここは正直、数年前だったら考えられないコストダウンだよなって思った。
実際の作例としては、TechRadarの記事に載っていた「Raspberry Pi 5にOpenClawを載せて、WHOOP(健康管理用のウェアラブル端末)のデータを取り込み、スマホから指示するだけでウェブサイトを作った」という事例も面白い。ローカルモデル(自分のPC内で動かすAIモデルのこと)をOllamaというツールで動かせば、API利用料がかからないのも地味に嬉しいポイントだよね。
実際にセットアップしている様子はこの動画がわかりやすかったよ。
「飽き足らない」から生まれた自作エージェント
ここからが今回の本題。西川さんは元々、インメモリデータベース「Redis」の作者antirez氏が作った「DwarfStar 4(ds4)」というローカル推論エンジン(自分の環境でAIモデルを動かすための仕組み)を試していた。その中の「ds4-agent」というエージェント機能は、ファイル読み書きや検索、シェルコマンド実行、ブラウザ操作など、必要最低限の機能をコンパクトにまとめたもの。「いろいろ機能山盛りで肥大化しているOpenClawとは真逆の性質」と本人も評している。
ただ使い込むうちに不満も出てきた。使っていたモデル(DeepSeek V4 Flash)がVision(画像を理解する機能)に対応していない、skill(特定の手順に従って作業する仕組み)がない、画像や動画・音声を再生できない、といった具合。コードを直接いじる選択肢もあったけど、外部LLMのAPIエンドポイントに対応させるならC言語で書く必要もないと判断し、フルスクラッチで新しいエージェントアプリを組むことにしたそう。
面白いのは実装の工夫で、メインのLLMには推論性能が高いモデルを使いつつ、画像解析が必要なときだけ「ツール呼び出し」でVision対応モデルを呼び出す構成にしたこと。西川さんいわく「この考え方を拡張すれば、コーディング・日本語文書・数理推論など得意分野ごとにLLMをツールとして呼び分ける、オーケストレーション型(複数のAIをまとめて指揮する仕組み)エージェントへ発展させることもできる」とのこと。しかも仕様出しにはSonnet 5を使い、作ったコードの評価をClaude Codeにコピペして「妥当」との答えをもらったというくだりは、AIでAIを作るループが日常になってる感じがして地味にツボだった🤔
ローカルLLMは「動く」けど「快適」とは限らない
ただし、Raspberry Pi上でAIを動かすのは決して万能じゃない。Hackster.ioに投稿された検証記事では、Raspberry Pi 4でローカルLLMを動かした結果を「TLDR: 言語モデルはRaspberry Piでも動く、でもラップトップやクラウドとは全然違う挙動になる」とまとめている。RAM(作業用のメモリ)が限られ、専用のGPU(画像処理用の高速演算チップ)もなく、ストレージもSDカード頼み。筆者は速度ではなく「限界を知ること」自体に価値があると書いていて、これは結構誠実な結論だなと感じた。
実際、モデル選び一つとっても軽量なものを選ばないと熱暴走や動作停止が起きやすく、DockerやOllama、Open WebUIを組み合わせた構成でようやく安定運用にこぎつけたそう。西川さんの自作エージェントも含め、Raspberry Pi上でのAIエージェント運用は「動かせるけど、快適さは自分でチューニングする前提」というのが正直な現状みたい。
まとめ:自作のハードルは思ったより低いかも
今回リサーチしてみて感じたのは、Raspberry PiでAIエージェントを動かす選択肢が「既製品を入れる」だけじゃなく「自分の不満を解消するために作り替える」段階まで来てるってこと。OpenClawやPicoClawで手軽に試す人もいれば、西川さんみたいにSkillやcron(決めた時間に自動でタスクを実行する仕組み)、メディア再生対応まで自前で組む人もいる。どちらも「エージェント自作」の入り口として全然アリだと思う。
Claude CodeやCodexみたいなコーディング支援AIが充実してきたおかげで、Node/TypeScriptやPythonが多少怪しくても、仕様を決めてAIに実装を手伝ってもらう「バイブコーディング」的な進め方が現実的になってきてる。まずは手元のRaspberry PiにPicoClawを入れてみて、物足りなさを感じたら自作に挑戦する、という西川さん流のステップアップが今一番おすすめのルートかもしれないよ🚀


