ServiceNow、AI市場規模を6倍に上方修正
2026年4月3日、ServiceNowのCEOであるBill McDermottは、同社の総アドレス可能市場(TAM)が6000億ドルに達したと発表した。これは彼が同社に参加した際の900億ドルから約6.7倍の大幅な拡大である。McDermottは「AIモデルとAIエージェントが期待を上回るスピードで進歩している」と述べ、2025年11月以降の市場変化が予想を超えたものであることを強調した。
4月9日には、ServiceNowが「サイドカーAI時代」を超えた完全なAIネイティブ体験を全製品パッケージで提供すると発表。新しいContext Engineを導入し、AIエージェントの意思決定に必要な企業コンテキストを提供する仕組みを構築した。同社はAI Control Towerを通じて戦略、ガバナンス、管理、パフォーマンスを統合的に制御する機能も追加している。
Microsoft、多エージェント統合でCopilotを強化
4月4日、Microsoftは「多エージェント調整と接続体験」を提供する新しいCopilot機能を発表した。注目すべきは研究者エージェント「Critique」で、OpenAIのGPTとAnthropicのClaudeエージェントから全てのクエリに対してデータにアクセスする。GPTがコンテンツ生成を行い、Claudeがレビューと事実確認を実施することで、ハルシネーションを削減し精度を向上させる仕組みだ。
同時に「Council」ツールも導入された。これは複数のAI回答を並べて表示し、結果を比較できる機能である。この更新は3月に発表されたCopilot Coworkに続くもので、現在Microsoft 365の最新AI機能への早期アクセスを提供する「Frontier」プログラムメンバーが利用可能となっている。
クラウド3社のエージェント開発競争が激化
2026年4月6日時点で、Microsoft、Google、AWSの3社がエージェント開発プラットフォームで激しい競争を展開している。MicrosoftはAzure AI StudioからAzure AI Foundry、さらにMicrosoft Foundryへと2024年後半から2025年にかけて度重なる名称変更を行い、開発者の間で混乱を生じさせている。Agent Framework 1.0とFoundry Agent Serviceを組み合わせた垂直統合パスを提供するが、SDK断片化の問題に直面している。
一方、Google Cloudはより整理されたアプローチを取っている。Agent Development Kit(ADK)がオープンソースフレームワーク、Agent EngineがVertex AI上の管理ランタイム、Vertex AI Agent Builderが両者を統合するライフサイクルプラットフォームという明確な構造だ。ADKはPython、Java、Go、TypeScriptの4言語に対応し、主要クラウドエージェントフレームワークの中で最も幅広い言語カバレッジを実現している。
AWSは異なるアプローチで「Strands Agents SDK」を採用した。これは2025年5月にオープンソース化された内部AWS製ツールで、Amazon Q DeveloperとAWS Glueを支えている。リリースから1年足らずで1400万ダウンロードを達成し、意図的に薄いスタック構成を維持している。
保険業界でAI請求処理の実用化が進展
4月4日、Generali香港がグローバル保険テック企業CoverGoと提携し、新しいIntelligent Document Processing(IDP)AIエージェントを導入したと発表した。このシステムは健康保険請求業務の大幅な自動化を実現し、処理時間の加速と同時にデータ精度の向上、顧客体験の改善を達成している。
従来の健康保険請求処理は構造化されていない多様な文書を扱うため、運用上のボトルネックとなっていた。CoverGoのIDP AIエージェントは、請求フォーム、医療報告書、請求書、領収書など幅広い文書タイプを自動的に処理し、リアルタイムで構造化された意思決定可能なデータに変換する機能を持つ。
Generali香港のChangは「継続的に顧客の請求体験を改善し、運用効率を向上させる技術を探求している」と述べ、AI対応機能による請求処理の合理化が運用の卓越性推進への取り組みを反映していると強調した。CoverGoのCEO兼創設者Tomas Holubは「AIエージェントが保険業務を合理化し、プロセスを自動化し、精度を向上させ、保険会社がコスト削減しながら例外的な顧客サービスを拡張できることを実証している」とコメントしている。
製造業でも産業自動化プラットフォームにAI統合
4月7日、EmersonがGuardianデジタルプラットフォームに新しい人工知能機能を導入したと発表した。これは産業運用全体で自動化性能、トラブルシューティング、ライフサイクルサポートの改善を目的としている。更新されたプラットフォームは、DeltaV、Ovation、AMSを含む既存の自動化システムとAI駆動のインサイトを統合し、統合インターフェースを通じてシステムデータ、診断、ガイダンスへのアクセスを可能にしている。
主要な追加機能として、Guardian Virtual Advisorの拡張がある。これはEmersonの技術文書に基づいた自然言語ガイダンスを提供し、運用や保守に関する質問に対してステップバイステップの推奨事項を提供する。オペレーター、保守チーム、エンジニアなど異なるユーザー役割に合わせたカスタマイズ可能なダッシュボードも導入され、リアルタイムでシステム性能を可視化し、ワークフローに関連する重要情報を優先表示する機能を提供している。
さらに、改善された検索機能と技術文書へのアクセスを含む強化された知識管理機能により、より迅速な問題解決と積極的なシステム保守をサポートしている。統合されたサポートワークフローでは、サービスリクエストの追跡と専門家との相互作用も可能になっている。Emersonは、これらのアップデートが労働力の移行をサポートし、運用知識を保持しながら新人員の迅速なオンボーディングとスキルアップを可能にするよう設計されていると述べている。


