YouTubeクリエイター集団がAmazonを集団提訴
2026年4月、複数のYouTubeクリエイターがAmazonを相手取り、同社のAI動画生成システムの学習に無断で動画コンテンツを使用されたとして集団訴訟を起こした。訴訟はTed Entertainment(H3 PodcastやH3H3 Productionsを運営)をはじめとする複数のクリエイターが提起。原告側は、AmazonがYouTubeの保護機能を迂回してコンテンツを収集し、著作権法およびデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反したと主張している。
この訴訟は、OpenAIのSoraやGoogleのVeoなど、AI動画生成技術が急速に発展する中で起きている。これまでのAI著作権訴訟の多くは文書コンテンツを対象としていたが、動画分野での本格的な法廷闘争は今回が初めてとみられる。原告らは損害賠償に加え、無断学習の停止を求める差し止め命令も申し立てている。
Getty Images対Stability AI訴訟が重要な局面に
サンフランシスコ連邦裁判所では4月8日、Getty ImagesがAI画像生成企業Stability AI Inc.を相手取った著作権侵害訴訟の審理が行われた。Getty側は、Stabilityが許可なく1200万枚以上の写真をコピーし、競合事業の構築に使用したと主張している。
特に注目されたのは、StabilityのソフトウェアがGettyの透かしが入った非Getty画像を生成した際の「意図」の立証問題だ。Trina L. Thompson判事は、Getty側に対し、Stabilityが著作権侵害を促進する意図があったことを十分に実証できているかを厳しく問いただした。著作権侵害教唆の成立には明確な意図の立証が必要で、この点が判決の分かれ目となる可能性が高い。
同訴訟は数十件に及ぶAI学習著作権訴訟の一つで、OpenAIやMetaを相手取った訴訟と並んで業界の注目を集めている。争点は一貫して「フェアユースの境界線はどこにあるのか」という根本的な問題だ。
中国でAI肖像権侵害に厳しい判決
中国では4月7日、AI技術を使った肖像権侵害事件で裁判所が企業側に厳しい判決を下した。北京インターネット法院が公表した事例では、女優の画像が2つの企業によってAI顔交換技術を使ってショートドラマに無断使用された。裁判所は女優側の訴えを認め、被告企業に公開謝罪と経済的損失の賠償を命じた。
さらに別の事案では、声優の声をAIで無断模倣したケースで、裁判所が音声権の侵害を認定した。北京Javy法律事務所の趙占領弁護士は「AI生成された顔が特定の個人を連想させる場合、侵害に該当する可能性がある」と分析している。中国の民法典および法的実務では、個人の画像をコピーしてAI処理することは情報技術を使った肖像権侵害の典型例とされている。
法的責任と実務上の対応策
Anjie Broad法律事務所の馬向向弁護士は「AIの発達により創作活動は促進されたが、侵害行為にも悪用されている」と指摘。中国の規制当局は特にショート動画でのAI顔交換の違法使用に対する取り締まりを強化している。
実務的な対応策として、無断でAIに使用された個人は即座に証拠保全を行い、ブロックチェーン技術を使った保存が推奨されている。また、プラットフォーム事業者への通報は迅速かつ費用対効果の高い救済手段とされる。中国民法典では、プラットフォームは侵害コンテンツの通知を受けた場合、削除、ブロック、リンク切断などの必要措置を講じる義務を負っている。
1976年著作権法の見直し議論が本格化
スタンフォード大学では4月6日、1976年著作権法制定50周年を記念したサミットが開催された。学者らは米国著作権法の更新と再解釈に関する多数の提案を発表したが、同時に法律の拡大解釈に対する警告も発している。
知的財産法のポール・ゴールドスタイン教授(元米国技術評価局IP技術諮問委員会議長)は基調講演で「21世紀の4分の1が経過した今、政策立案者は生成AIによって新たに不安定化した文化に対し、著作者への歴史的配慮をどう適用すべきか」と問いかけた。
現在の著作権法の基盤は経済的インセンティブの保護にあるが、生成AIシステムが既存作品で学習し、元の著者に補償することなく新作品を生み出すという現状は、この基本原則を根本から揺るがしている。専門家らの共通認識は「AIが望むと望まざるとに関わらず著作権を再編する」というものだ。



