予約制撤廃で深刻化する国立公園渋滞
米国の主要国立公園で、車両予約制の撤廃により深刻な渋滞問題が発生している。ニューヨーク・ポストによると、ヨセミテ国立公園では5月最初の週末に入園ゲートでの待ち時間が最大90分に達し、ヨセミテ・バレー内の駐車場は正午前に完全に満車となった。午前11時以降に到着した来園者は溢れ駐車場への誘導を受けるか、空きスペースを求めてバレー内を循環せざるを得ない状況となっている。
サンフランシスコ・クロニクルの報道では、ハイウェイ140のアーチ・ロック入口で1時間以上の待ち時間が発生し、入口から約3マイル西のエル・ポータルまで渋滞が延びたとソーシャルメディアユーザーが報告している。カリー・ビレッジは午前8時10分、ヘッチ・ヘッチーとマリポサ・グローブの駐車場も午前中に満車となった。
パンデミック後の管理方針転換
この混雑は、国立公園局が2026年2月にヨセミテの車両予約制を撤廃すると発表したことによるものだ。同時期にアーチーズ国立公園とグレイシャー国立公園も予約制を撤廃または縮小している。国立公園局は2025年の交通・駐車データの検証により、シーズン全体にわたる予約要件が最も効果的な手法ではないと判断したと説明している。
ヨセミテは近年、混雑管理のため何らかの予約制を採用してきた。パンデミック中に開始され、予約制なしで深刻な渋滞が発生した2023年シーズンを経て、2024年と2025年に再導入されていた。公園は既に今春から混雑の兆候を見せており、3月の来園者数は前年同月比45%増加し、急激に雪解けが進んだことで滝を見る観光客が殺到していた。2025年のヨセミテは8月まで約290万人が来園し、2024年同期比7%増加している。
予約制支持派と反対派の対立
時間指定入園予約制の支持者は、交通流の安定化、環境負荷の軽減、ピークシーズンの予測可能性向上を理由に挙げている。一方、反対派は自発的な公園アクセスを制限し、数ヶ月前から計画できない旅行者に障壁を作ると主張している。環境保護団体のバックリー氏は、ヨセミテの新園長が「車両、混雑、渋滞を減らす来園管理よりも、さらに多くの来園者を迎えることが望ましいと個人的に見ている」と明言したとSFゲートに語っている。
マルーン・ベルズ民間委託問題
コロラド州では別の形での管理問題が浮上している。アスペン公共ラジオによると、アスペン近郊の人気観光地マルーン・ベルズ景勝地について、森林局が管理権を手放す計画を進めている。昨夏約20万人が訪れたこの地域について、ピトキン郡が管理許可の取得を検討していると5月12日に発表された。
郡が今秋までに特別使用許可の条件に合意しなければ、森林局は民間委託業者を探す予定だ。公有地保護活動家のルーシュ氏は、利益率に動機づけられた民間企業による管理への懸念を表明し、「50ドルの料金を取れるディズニーランド風のアトラクションの設置」まで検討される可能性を指摘している。
公有地管理の財政問題
この背景には、公有地管理の慢性的な財政不足がある。2025年の分析では、連邦土地が年間1280億ドルの経済活動を生み出している一方、森林局の2025年度予算は95億ドルにとどまっている。アウトドア・レクリエーション産業は最新の統計で1兆3000億ドルのアメリカ経済への貢献を記録し、コロラド州単独でも180億ドルを超える規模に成長している。ルーシュ氏は、賢明な投資として連邦政府が公有地への十分な資金提供を行う必要があると強調している。
野生生物への影響調査結果
オーバーツーリズムの影響について、ジャクソンホールでの最新研究が示唆に富む結果を示している。グリニッジ・タイムが報じたブリッジャー・ティートン国立森林の調査では、スノー・キング山周辺の50マイル以上のトレイルエリアで、人間の利用が野生動物に与える影響を2.5年間カメラで追跡した。研究結果は4月に学術誌「Conservation Science and Practice」で発表された。
調査では、エルクが人間活動に最も敏感に反応することが判明した。高い人間利用がある場合、エルクは朝夕により活動的になり、レクリエーション利用の多いエリアを避ける行動を示した。しかし、ラーソン研究者は「レクリエーションと野生生物が完全に問題ないということではない」と研究の限界を強調し、トレイルが設置される前の鹿の利用状況は不明だと説明している。この研究結果は、36年前に策定された森林計画の改訂作業中に発表され、レクリエーション管理が中心的課題となっている。



