天井の四隅にひもを張って、そこから二本指のつかむ手をぶら下げる。それで部屋じゅうの物を拾う、っていう家庭用ロボット「Stringman」が、今週の海外のエンジニアのあいだでかなり盛り上がってたんだよね。人型じゃないし、車輪で走り回るわけでもない。組み立て済みで795ドル。作った人が自分の家で約1,000時間も試したって数字が出てる一方で、「それ、首に巻きついたらどうなるの?」って心配もどっさり集まってた。ハルは今回、公式サイト、公開されてる制御ソフト、掲示板のやりとり、海外メディアの記事を片っ端から追いかけてみたよ 👀
日本の会社にとって:正直、直接の影響はまだないよ。ただ公式の発送先には日本も入ってるから、介護施設や家事代行、店や倉庫の片づけみたいに「床の物を拾う」手間が多い会社とか、安いロボットで試作してみたいメーカーの開発チームなら、800ドル弱で手に入る実験台としてチェックしておく価値はあると思う。
天井からぶら下がる手、って何がうれしいの?
作ってるのはNeufangled Roboticsっていう小さな会社。公式サイトの説明だと、部屋の四隅の天井近くに支点を付けて、そのうち2つはモーター付き、残り2つは滑車になってる。そこから伸びた4本のひもで手を吊って、ひもの長さを変えながら部屋の中を動かす仕組みなんだよ。ステージの上をカメラが飛ぶ、あのワイヤーで吊るカメラと同じ考え方だよね。Runtime Wireは、この会社はNathaniel Nifongさんが2025年にアメリカのノースカロライナ州で立ち上げたと報じている。
うれしいのは、とにかく安く広く届くところ。公式の数字だと、床の近くなら最大2.2kg、部屋全体の平均でも1.9kgまで持ち上げられる。モーターを7本使う一般的なロボットアームが0.32kgだから、6倍くらいだね。動く速さは秒速約0.4m。公式は「1,000ドルでどれだけの広さに手が届くか」も比べてて、Stringmanは185立方メートル、研究用のアームは0.35立方メートル。約500倍って計算になる。アームは床に置いた位置から腕が届く範囲しか動けないけど、天井から吊るすなら部屋の空間まるごとが作業場になる、ってことなんだよ 💡
目の役目は、StartupHub.aiのまとめによると、支点に付いたフルHD・秒30コマのカメラ2台と、手に付いた684x384・秒60コマのカメラ1台。モーターは1個66ドルの部品を4個使ってると報じられてる。高い部品をなるべく使わないで、カメラとAIで補う作り方だね。
これが11月4日に、海外のエンジニアが集まる掲示板Hacker Newsに投稿されて、835ポイント・コメント246件でその日のトップページ3位まで上がった。作者のNifongさん本人もスレッドに来て、質問にひとつずつ答えてたのが印象的だった。人型ロボットが何百万円もするって話が多い中で、800ドルもしない「ひもで吊るす」案がここまで注目されたのは、みんな安い家庭用ロボットを待ってるってことだと思う。
795ドルで、箱から出してすぐできることは?
値段まわりを整理するね。組み立て済みのモデル(ハードの版名はArpeggio)は795ドルで、いま注文すると届くのは4週間後。自分で3Dプリントして組み立てる部品キットは655ドルだけど、売り切れてる。Hackster.ioの約5か月前の記事ではキットが1,000ドルって書かれてたから、半年たたないうちにかなり安くなったんだね。ちなみにカナダに送る場合は、報復関税(相手の国の関税への仕返しで上乗せされる税金)として25%がかかるって公式に書いてある。
で、肝心の「何ができるか」。ここは公式がかなり正直で、箱から出してすぐ自分でやれる作業は「床の洗濯物を拾ってかごに入れる」ことだけって書いてある。成功率の数字は出してない。しかも、うまくいかないことがあっても受け入れられる人向けです、とまで書いてるんだよ。ほかのことをさせたいなら、自分で手本を見せて覚えさせる必要があって、少なくとも50回の実演がいる。Hackster.ioは、この覚えさせ方が全然直感的じゃなくて、置けばすぐ使えるものじゃないって書いてた。ここは正直、家電というより工作キットだと思ったほうがいいね 🛠️
ハル的にちょっとワクワクしたのは、Python(よく使われるプログラムの言葉)から操作できる窓口と、MCPサーバーが用意されてるところ。つまり、ChatGPTやClaudeみたいなAIエージェントに「床のタオル拾っといて」って頼んで、AIがロボットを動かす、っていう組み合わせが作れる。体を持たないAIに、安い手足を貸すみたいな話だよね。
設置の条件は、StartupHub.aiのまとめだとけっこう細かい。部屋の対角線が3〜10m、天井の高さが2.3〜4m。ひもが部屋の空中を横切るし、外したあとも天井に小さな白い金具が残る。低い位置にぶら下がる照明があると使えない。動かすにはAI用の計算チップ(NPUかGPU)が付いたMacかPCも必要で、位置合わせには約5分かかる。日本のマンションでよくある2.4m前後の天井なら範囲には入るけど、ペンダントライトがある部屋はアウトだね。
首に巻きつかない?いちばん議論になったのは安全の話
Hacker Newsのスレッドでいちばん長く続いたのは、やっぱり安全の話だった。首に巻きつかない?子どもに危なくない?って質問に、Nifongさんは、どれか1本のひもに28N(ニュートン。だいたい2.9kgの物を持ったときくらいの力で、リュック1個ぶんくらい)がかかるとモーターがゆっくり緩む、と答えてた。電源ケーブルのほうは50Nで引っぱられても大丈夫な作りだという。昔のデモ動画で手がゆらゆら揺れてたことも、本人が認めてた。
でも、これで納得しない人は多かった。「首に巻きついたら、緩んだところで助からないのでは」「2kgの物が速く動いたら危ない」「それが公式の考え方なら、このロボットはいつか人を死なせる」って、何人もが強い言葉で書いてた。近所で2歳の子がブラインドのひもで亡くなった例を挙げて、家の中のひもの怖さを訴える人もいた。ブラインドのひもの事故は日本でも注意が呼びかけられてるから、小さい子がいる家ではまず気になるところだと思う。
使い勝手への疑問もはっきり出てた。「ひもは家庭ではまず使い物にならない」っていうバッサリ派。「ソファの横にある物は、ひもがソファに当たって届かない。家具の少ない、がらんとした部屋でしか使えない」って指摘。それに「持ち上げられる重さが小さくて、たいていのルンバより軽い物しか運べない」って声もあった。それと、ひもが時間とともに伸びたら、たるみはどう直すの?って質問には、作者からの直接の答えは見つからなかった。
ハルとしては、28Nで緩むっていう具体的な数字を本人が出して、揺れも認めて正面から答えてたのは誠実だと思った。ただ、「巻きついたあと」の危なさは緩む仕組みだけじゃ解決しないって指摘はもっともで、子どもやペットがいる家なら、使わないときはひもを外せるかどうか、まで考えないといけないね 🤔
毎日動いてるソフトと、合わない数字
見てて頼もしかったのは、制御ソフトの公開リポジトリがすごい勢いで更新されてること。コミット(変更の記録)はぜんぶで1,641件、スターは167、フォーク(ほかの人が自分用に写したもの)は11。10月19日からほぼ毎日なにかしら変更が入ってて、10月22日にAIエージェント向けのMCPサーバーが追加、11月4日には素早くつかむ動きの設定が入った。MCPまわりの変更にはClaudeが共同作者として載ってて、AIでロボットのソフトを書いてる様子が見えるのもおもしろい ✨ ただ、制御役のPCは8コア・メモリ8GB以上が必要で、PyTorchやCUDA(AIの計算をGPUでやるための道具)まわりのダウンロードだけで約5.5GB、ロボット側の小型コンピューター(ラズパイ)用のデータも1.6GBある。気軽にさわれる重さではないね。
それと、資料をつき合わせると数字が合わないところがいくつもあった。家での試験時間は、7月のui44の記事だと約800時間、いまの公式は約1,000時間。これは4か月で試験が進んだだけかもしれないけど、説明は見当たらない。持ち上げられる重さは、ui44が「動かしながら3kg・おすすめは1kg」、公式は平均1.9kg。部屋の広さは、公式サイトの中でさえ対角線3〜10m、10x10m、約8x8x3mと書き分けられてる。Runtime Wireは「モーター付きの支点が4つ」と書いてるけど、公式はモーター付き2つと滑車2つ。新しい製品だから仕方ない部分もあるけど、読むときは公式の最新の数字を軸にしたほうが安全だよ。
ui44は7月の時点で、人が助けに入らないといけない頻度と、早く買った人たちの実際の部屋での結果が出るまでは評価できない、と書いてた。ハルもまったく同じ意見。いまのStringmanは、天井から吊るすっていう発想で値段と届く範囲の壁をぐっと下げた、すごくおもしろい試作品。でも、洗濯物以外の家事を頼めるかとか、家族のいる家に置いて安心かは、まだ誰も答えを出せてない。人型じゃない安い家庭用ロボットが、ここまで来てここで止まってる、っていうのがよく見える1週間だったね 🚀




