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MLPerf Training v6.0発表、NVIDIA GB300が2.02分でDeepSeek-V3学習——AMDはInference 6.0で100万トークン/秒突破

MLCommons最新ベンチマークに見る2026年AI学習・推論性能競争の最前線

鈴木 理恵|2026.08.11|8|更新: 2026.08.11

MLCommonsが2026年6月16日発表のMLPerf Training v6.0で、CoreWeaveがGB300 8192基でDeepSeek-V3 671Bを2.02分で学習。AMDは別途4月公開のMLPerf Inference 6.0でMI355Xが100万トークン/秒を突破し、6月のTraining 6.0でもMI350シリーズが対応範囲を拡大した。

Key Points

Business Impact

GPUクラウド選定ではカタログ上のピーク性能ではなく、MLPerfのニアリニアスケーリング係数と実クラスタ規模での再現性を確認すべきである。NVIDIA一極調達に加え、AMD ROCmエコシステムの進捗を踏まえたマルチベンダー戦略の検討を今期中に着手することを推奨する。

MLPerf Training v6.0発表、NVIDIA GB300が2.02分でDeepSeek-V3学習——AMDはInference 6.0で100万トークン/秒突破
NVIDIA Blackwell Tops MLPerf Training 6.0 with Industry-Leading Scale and Performance | NVIDIA Technical Blog
出典: NVIDIA Technical Blog

MLCommons、MLPerf Training v6.0を発表——新ベンチマーク追加で提出多様化

非営利団体MLCommonsは2026年6月16日、AI学習性能を測る標準ベンチマーク「MLPerf Training v6.0」の最新結果を公開した。MLCommonsの発表によれば、今回は新たに2種類のベンチマークが追加され、提出企業・構成の多様性が大きく広がった点が特徴とされる。frontierモデルが1兆パラメータ規模に達し、エージェント型ワークロードが標準になりつつある中、学習性能はAIチームがモデルを反復・実験・投入する速度を左右する決定的な制約になっているという。

MLCommons Releases MLPerf Training v6.0 Results
出典: GlobeNewswire News Room

今回のラウンドでは、DeepSeek-V3 671BのようなMoE(混合エキスパート)構成の大規模モデルが主要な評価対象となり、各社が実運用に近い環境での性能を競う構図が鮮明になった。

NVIDIA GB300、DeepSeek-V3学習で圧倒的スループット

NVIDIAは公式テックブログで、Blackwell Ultra GB300プラットフォームがMLPerf Training 6.0で業界最高規模の性能を示したと発表した。DeepSeek-V3 671Bワークロードにおける1GPUあたりのスループットは、2025年11月版NeMoコンテナ(v25.11)で1,088TFLOPS、2026年2月(v26.02)で1,219TFLOPS、同年4月(v26.04)で1,298TFLOPS、そして2026年6月版(v26.06)で1,648TFLOPSへと段階的に向上している。ソフトウェア面では、token-dropless MoEのための全イテレーションCUDAグラフ化など、複雑なMoEモデルから最大性能を引き出す複数の最適化が投入された。

CoreWeave、8192基のGB300でニアリニアスケーリングを実証

クラウド事業者のCoreWeaveは、2026年6月17日の発表で、顧客が実際に利用可能な同社クラウド基盤上で、NVIDIA GB300 NVL72 GPU 8,192基を用いてDeepSeek-V3 671Bの学習をわずか2.02分で完了させたと明らかにした。これは今回の提出の中で最大規模のGB300クラスタであり、ベンチマーク上もっとも計算負荷の高いモデルの一つとされる。同社はこの結果について、GPU数を増やしても性能がほぼ比例して伸びる「ニアリニアスケーリング」を達成した点を強調しており、カタログスペックではなく実運用インフラでの再現性を訴求する狙いがある。

ASUSなどOEMベンダーもトップ性能を主張

ハードウェアベンダー各社も自社サーバーの成果を相次いで発表した。ASUSは2026年6月22日の発表で、NVIDIA HGX B300を搭載した「XA NB3I-E12」AIサーバーが、Llama 3.1-8B(ServerモードおよびOfflineモード)とGPT-OSS-120B(Interactiveモード)を含む複数カテゴリで1位を獲得したとし、同サーバーは既に世界出荷を開始していると説明した。こうしたOEMベンダーの参入は、NVIDIAプラットフォームを軸にした周辺エコシステムの厚みを示すものといえる。

AMDが推論・学習の両面で追撃——100万トークン/秒突破

NVIDIA陣営に対し、AMDも存在感を示した。AMDの発表によれば、2026年4月1日公開のMLPerf Inference 6.0において、Instinct MI355X GPUはマルチノード構成で毎秒100万トークンの壁を突破し、新規ワークロードや分散推論への対応拡大を示した。さらに6月16日公開のTraining 6.0結果では、MI350シリーズがROCmソフトウェアとMXFP4サポートを軸に、単一ノードからマルチノード学習へと対応範囲を広げ、これまでで最も包括的な提出内容になったとしている。業界メディアのThe Next Platformも、NVIDIAが記録的な推論性能を強調する一方で、AMDが同時期にAIインフラ市場でのシェア拡大を狙う構図を報じている。

業界への影響

今回のMLPerf v6.0ラウンドは、単なるチップ性能競争にとどまらず、クラウド事業者・OEMベンダー・チップメーカーが三層で性能を競う構造を浮き彫りにした。CoreWeaveのように「顧客が実際に使えるクラウド環境」での結果を前面に出す動きは、ベンチマーク値と実運用性能の乖離を懸念する企業への訴求と見られる。GPU調達を検討する企業にとっては、単発のピーク性能値だけでなく、スケーリング係数や再現性、ソフトウェア最適化の進捗速度(NVIDIAのTFLOPS推移が示すように数カ月単位で改善が続く点)を含めた総合評価が今後より重要になるだろう。

風刺画: MLPerf Training v6.0発表、NVIDIA GB300が2.02分でDeepSeek-V3学習——AMDはInference 6.0で100万トークン/秒突破

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