「ヒューマノイドロボット」って聞くと、まだ展示会のステージで転んだり踊ったりしてるイメージが強い人も多いと思う。でもハルが今回いろんなニュースを追いかけてみて感じたのは、2026年に入ってからこの手のロボットが「研究室のデモ」から「現場でお金を払って使う道具」に変わり始めてるってこと。今日はその動きがよくわかる3つの事例を紹介するね。
清水建設、建設現場でヒューマノイドを動かす基盤づくりに着手
まず驚いたのが日本の話。東京大学松尾研発のスタートアップ Prox Industries が、清水建設の「フィジカルAI(現実世界を見て判断して動くAI)」研究を技術支援したというニュース。ロボスタの記事によると、建設業界は深刻な人手不足で、これまでのロボットは「決められた動作しかできない専用機」が中心だったんだって。そこにAIが状況を見ながら判断する仕組みが入れば、1台で複数の作業をこなせる汎用機になる可能性が広がる、という話。
具体的には、NVIDIAのシミュレーション環境「Isaac Sim」で仮想空間を作って、遠隔操作(テレオペ)で動作データを集めて、視覚・言語・行動をまとめて学習するVLAモデルの活用方法まで助言したそう。別の記事では、清水建設は実際に現場巡回やロボットアームでの塗装作業の実証を始めているとのこと。いきなり「人間の代わり」じゃなくて、まず巡回みたいな安全確認作業から入るのが現実的だよなってハルは思った。
Astribotの1.8万ドル機、北米で即納スタート
続いて面白かったのが深圳発のAstribot。AndroidGuysの記事によると、2026年9月27日からピッツバーグで開かれたIROS 2026で「T1」というヒューマノイドを北米初披露したらしい。注目すべきは価格とスピード感。アメリカ向け価格は1万8000ドル(約270万円)から、注文すれば即納可能っていう、もう「研究機材」じゃなくて「買える製品」としての売り方をしてる。
AstribotはAIモデル・ロボット用OS・ケーブル駆動の身体をバラバラに作るんじゃなくて、最初から1つのシステムとして設計する「Design for AI」という考え方を掲げてるそうで、モジュール式ハードウェアとVRによる遠隔操作、AI機能を最初から全部セットで提供してる。研究者だけじゃなく開発者や現場の実装担当者が買えるように作ってあるのがポイントだね。
Figure 03の自律清掃デモと、まだ残る「手先の不器用さ」問題
実用化が進んでる証拠として分かりやすいのが、Figure社のヒューマノイド「03」の清掃デモ。スプレーボトルとタオルを両手で同時に使う、物を投げる、動きながら道具をしまう、足の置き場所を精密に決めるなど、8つの新しい自律スキルを披露したんだって。
同じ動画によると、Physical IntelligenceはPI0.5というモデルを実際の油圧ショベルに搭載して、研究室の外・重機という分野で初めて動かしたそうで、これもかなり象徴的な一歩だと思う。ただし別の解説動画では「歩く・走る・バランスを取るはできても、シャツのボタンを留めるみたいな繊細な作業はまだ全然完璧じゃない」という指摘もあった。つまり力強さや安定性はかなり来てるけど、指先の器用さは正直まだこれからって感じ。
投資も「実用化」目線に変わってきた
お金の流れを見てもこの傾向は裏付けられる。NECは2026年8月、AI搭載ヒューマノイド「VEGA」とフィジカルAI開発プラットフォームを手がける米Dexmateに投資したと発表している。Dexmateが目指しているのは「誰でも簡単にAIロボットを開発・設定・運用できる」プラットフォームで、専用機の開発から現場導入までを一気通貫で短縮することが狙いだそう。
市場規模の話も面白くて、TechTargetの記事ではBarclaysの試算として、ヒューマノイドロボット市場は現在の20億ドルから2035年には2000億ドルまで伸びると紹介されてる。しかも2026年のCapgemini調査では、調査対象の企業幹部1678人のうち約80%がすでにフィジカルAIに取り組んでいるというから、もう「様子見」の段階は終わりつつあるのかもしれない。とはいえ建設現場やショベルカーといった「決まった作業を安全に繰り返す」用途から広がっているのが現状で、家庭の家事を全部任せられる日はまだ先、というのがハルの率直な感想かな。


