Anthropicが売上でOpenAIを初逆転、年間300億ドル達成
AI開発分野で激しい競争を繰り広げるAnthropicとOpenAIの勢力図が大きく変化している。Digital Journalの報道によると、Anthropicは2026年4月初旬に年間売上が300億ドルに達したと発表し、競合のOpenAIを初めて上回る業績を記録した。この数値は四半期ごとの3倍成長を反映しており、同社の急速な市場拡大を示している。
Anthropicの成功要因の一つは、企業向けサービスに特化した戦略にある。同社の売上の約80%が企業間取引(B2B)から生じており、1000社以上の企業が年間100万ドル以上を同社サービスに支出している。特に注目すべきは、コーディング支援ツールClaude Codeが年間25億ドルの売上を生み出していることで、これは数週間の売上データを年間ベースで換算した数値だという。
評価額競争が激化、Anthropicに8000億ドルの投資提案
企業価値の面でも両社の競争は激化している。CNBCの報道では、Anthropicが2026年2月に実施した資金調達で評価額3800億ドル、調達額300億ドルを記録したことが明らかになった。さらに同社は、ベンチャーキャピタルから8000億ドルの評価額での投資提案を受けているとの報告もある。
一方、Greenwich Timeによると、OpenAIの現在の企業評価額は8520億ドルとなっており、依然としてAI業界最高水準を維持している。しかし、両社とも現在は赤字経営を続けており、株式公開に向けて収益性の向上が急務となっている状況だ。
OpenAIが新戦略で反撃、15億ドルの合弁事業を計画
OpenAIは競争激化を受けて新たな戦略を打ち出している。Reutersの報告によると、同社は最大15億ドルを投入してプライベートエクイティ各社との合弁事業「DeployCo」を5月初旬に設立する予定だ。この合弁事業の評価額は100億ドルに設定され、OpenAIが初期投資として5億ドルを投じる計画となっている。
DeployCoには、TPG、Bain Capital、Advent International、Brookfield、Goanna Capitalなどの大手プライベートエクイティ企業が総額40億ドルを投資する予定で、OpenAIは投資家に年率17.5%のリターンを保証している。この合弁事業は、企業向けAIツールの導入促進を目的としており、Anthropicが強みを持つ企業市場での競争力強化を狙っている。
最新AI モデル競争でAnthropicがリード拡大
The Next Webの分析では、Anthropicが4月に発表したClaude Opus 4.7が、ソフトウェアエンジニアリングとエージェント推論の分野でOpenAIのGPT-5.4やGoogleのGemini 3.1 Proを上回る性能を示していることが報告されている。このモデルは前バージョンと同じ価格設定でありながら大幅な性能向上を実現しており、企業顧客にとってコストパフォーマンスの優位性を提供している。
さらに注目すべきは、Anthropicが発表したClaude Mythosモデルの影響力だ。The Free Pressによると、このモデルはサイバーセキュリティの専門家を上回る能力でシステムの脆弱性を発見・悪用できるため、現在は「Project Glasswing」として約40の大手企業のみに限定提供されている。この慎重なアプローチが、かえって同社の技術的優位性を印象付ける結果となっている。
コンピュート能力確保競争とAmazonとの戦略的提携
AI企業間の競争は技術開発だけでなく、コンピュート能力の確保にも及んでいる。Axiosの報道では、Anthropicが今後10年間で1000億ドル以上を投じてAmazonから最大5ギガワットのコンピュート容量を確保する契約を締結したことが明らかになった。これに対してAmazonは現在50億ドルを投資し、将来的には最大200億ドルまで投資を拡大する可能性があるとしている。
この動きは、OpenAIが投資家向けに「コンピュート能力がAnthropicに対する競争優位性」だと主張していることへの直接的な対抗策となっている。コンピュート能力は現在の顧客サービス提供と将来のモデル訓練の両方に必要不可欠であり、需要急増時の対応力を左右する重要な要素となっている。特にAnthropicのClaude Codeのような人気サービスでは、需要の急激な増加により既存のコンピュート容量が逼迫する状況が発生しており、この投資の戦略的重要性が高まっている。



