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Anthropic、9000億ドル評価額でOpenAIを抜き去る調達計画 年間収益300億ドルで勢力逆転

AI業界の競争構図が激変、企業向けサービスでAnthropicが優位に

山本 浩二|2026.05.05|7分|更新: 2026.07.21

AnthropicがOpenAIの8520億ドルを上回る9000億ドル評価額での資金調達を計画中。Claude Codeの人気により年間収益300億ドルを達成し、企業向けAI市場でOpenAIを逆転する勢いを見せている。

Key Points

Business Impact

AI導入検討中の企業は、AnthropicとOpenAI両社の企業向けサービス強化を機に、複数プロバイダーとの関係構築を検討すべき。特にプライベートエクイティ傘下企業はAnthropicの新合弁事業を活用し、AI導入コストの最適化と実装支援の充実を図れる。

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Anthropic、9000億ドル評価額でOpenAI超えを狙う

AI業界の競争構図に大きな変化が起きている。CNBCの報道によると、Anthropicは9000億ドルの評価額での資金調達について投資家と協議を進めており、この金額が実現すればOpenAIの直近評価額8520億ドルを上回ることになる。関係者によれば、まだ条件概要書は署名されておらず交渉は継続中だが、TechCrunchは投資家に今後48時間以内に出資割当を提出するよう求められており、2週間以内のクロージングが予想されると伝えている。

Anthropicは今年2月に3800億ドルの評価額で資金調達を実施したばかりで、わずか3カ月未満で評価額を2倍以上に引き上げる計算となる。投資家からの旺盛な需要により、最終的な評価額は9000億ドルを上回る可能性もある。一方でOpenAIは3月末に1220億ドルの資金調達を8520億ドル評価額で完了しており、両社の評価額競争が激化している。

Claude Codeの成功で年間収益300億ドルを達成

Anthropicの高い評価額の背景には、同社の急速な収益成長がある。同社は今月初旬、年間収益が300億ドルに達したと発表した。この成長はClaude Codeの人気によるもので、企業顧客からの大型契約獲得が収益拡大を牽引している。The Atlanticの分析によると、Anthropicのコードおよびビジネス顧客への集中戦略が功を奏しており、OpenAIを収益面で上回っているとの見方が示されている。

プライベート市場では既にAnthropicの株式が1兆ドル以上の評価額で取引されているケースも報告されており、公開市場での期待の高さを反映している。同社は2026年後半にIPOを実施する予定で、公開後の更なる成長への期待が評価額を押し上げている要因の一つとなっている。

企業向けサービス強化でOpenAIとの差別化を図る

Anthropicは企業向けAI導入支援を強化するため、Goldman Sachs、Blackstone、Hellman & Friedmanとの15億ドル規模の合弁事業を発表した。この新会社には各社が3億ドルずつ出資し、Apollo Global Management、General Atlantic、GIC、Leonard Green、Sequoia Capitalなどの大手投資会社も参画する。合弁事業は中堅企業を中心にAIツールの導入を加速させることを目的としており、プライベートエクイティが保有する数百社への直接的なアクセスを提供する。

Goldman Sachsの資産・ウェルス管理部門グローバル責任者のMarc Nachmann氏は「これらのツールをビジネスに適用し、企業を変革する方法を知る人材が大幅に不足している」と述べ、実装専門家の不足がAI普及の障害となっている現状を指摘した。AnthropicのCharlie Lin氏(金融サービス担当プロダクト責任者)も「今日AIができることと市場が真に得ている価値との間には大きなギャップがある」と問題意識を表明している。

OpenAIも同様戦略で対抗、40億ドル規模の新会社設立

Anthropicの動きに対抗し、OpenAIも「The Development Company」という新会社を設立し、TPG、Brookfield Asset Management、Advent、Bain Capitalなど19の投資家から40億ドルを調達、100億ドル評価額での事業展開を計画している。両社の投資家に重複はなく、それぞれ独自のネットワークを活用した企業向けサービス展開を目指している。

OpenAIは3月に月間売上20億ドル、週間アクティブユーザー9億人という規模を誇り、依然として消費者市場では優位性を保持している。しかし企業向け市場においてはAnthropicの攻勢が激しく、同社のエンタープライズチーム戦略が中堅企業の獲得で成果を上げている。両社ともIPOを今年中に予定しており、上場前の企業顧客基盤拡大が重要な競争要素となっている。

AI業界のパワーバランス変化とインフラ競争の激化

AnthropicとOpenAIの評価額逆転は、AI業界のパワーバランスに大きな変化をもたらしている。2021年にOpenAI元幹部らによって設立されたAnthropicは、これまでChatGPT開始以来の「弟分」的な立場にあったが、Claude Codeの成功と企業向け戦略により急激に地位を向上させた。Time Magazineの報道によると、AmazonはAnthropicに対して2023年以来130億ドルを投資し、追加で200億ドルの投資枠を設定している。

インフラ面では、AmazonのProject Rainierが1200エーカーの巨大AI計算クラスターとして稼働を開始し、約50万個のTrainium2チップでAnthropicのAIモデルを支えている。Amazon チーフアーキテクトのRon Diamant氏は「Anthropicチームを非常に高く評価している。我々は彼らが構築するモデルについてアドバイスし、彼らは我々の次世代ハードウェアを早期に確認できる」と両社の密接な協力関係を説明している。この一方でAmazonはOpenAIにも500億ドルの投資を約束しており、2ギガワット相当のTrainiumインフラ使用を条件としたヘッジ戦略を展開している。

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